Blog

理学美容の情報と日々のアレコレをつらつらと呟いてるブログ

ブログ

脂漏性皮膚炎のメカニズム

豆知識




脂漏性皮膚疾患についてー皮膚で起きている事ー


脂漏性皮膚炎は【皮膚が汚れているから】ではない。

― 皮膚の上で起きている本当の話 ―

脂漏性皮膚炎というと、
「皮脂が多いから」
「ちゃんと洗っていないから」
そう思われがちですが、実はそれだけでは説明がつきません。

脂漏性皮膚炎は、
【皮膚の上で起きている化学反応の暴走】とも言える状態です。


原因菌は悪者ではない。

脂漏性皮膚炎に関わる菌としてよく名前が出るのが
【痤瘡桿菌(アクネ菌)】です。

でもこの菌、実は
人間と共存共栄しなければならない常在菌の一種。

健康な皮膚の上にも、誰にでも存在しています。

問題なのは
菌がいることではなく、
菌の働きが偏ってしまうこと。


皮脂膜は本来、味方である。

私たちの皮膚の表面には
皮脂膜という薄い油の膜があります。

これは
・乾燥から守る
・外敵から守る
・皮膚を弱酸性に保つ

という、人間が自分を守るために作っている防御システムです。

このできたての皮脂膜は
飽和脂肪酸を中心とした、安定した状態の脂です。


何が起きるとトラブルが始まるのか

痤瘡桿菌がリパーゼ酵素を異常に分泌し始めると、
この安定した皮脂膜が分解されてしまいます。

するとどうなるか。

飽和脂肪酸だった皮脂が
不飽和脂肪酸へ変化し、
さらにアラキドン酸や活性酸素が生まれます。

ここから、トラブルの連鎖が始まります。


アラキドン酸が増えるとどうなる?

アラキドン酸は、体にとって必要な場面もありますが、
過剰になると炎症を引き起こすスイッチになります。

アラキドン酸

プロスタグランジン

ロイコトリエン

炎症性エイコサノイド

この流れが進むと、
細胞を壊す方向へ働く物質がどんどん増えていきます。

その結果、

・紅斑(赤み)
・皮膚炎
・シワ、たるみ
・老化の促進
・癤、癰(痛みを伴う腫れ)
・ニキビ
・セルライト

といった症状につながっていきます。


もう一つの問題【活性酸素】

もう一つ同時に起きやすいのが
活性酸素の連鎖反応です。

まず発生するのが
スーパーオキシド。
これは細胞を傷つけますが、免疫防御にも関与します。

次に
過酸化水素

ヒドロキシラジカル
(免疫細胞が細菌を攻撃するときに使う一方で、
最強レベルの細胞破壊物質)
★老化、炎症、がん、生活習慣病などの
大きな原因にもなります。

ペルオキシラジカル

ヒドロペルオキシド

過酸化脂質

という流れで、
皮脂そのものが傷つき、参加した脂へと変わっていきます。


過酸化脂質が引き起こすもの

過酸化脂質は
・皮膚を刺激する。
・炎症を長引かせる。
・菌のエサになる。

という性質を持っています。

その結果として
ニキビ
脂漏性皮膚炎
セルライト
肌老化の加速
が起こりやすくなります。


ここで大切なのは、
常在菌を殺すことではありません。

菌は敵ではなく、
暴走させない環境を作ること。

・皮脂膜を壊さない。
・酸化皮脂を溜めすぎない。
・抗酸化できる体内・皮膚環境を整える。

このバランスが崩れたとき、
脂漏性皮膚炎は皮膚の表面に症状として現れます。


脂漏性皮膚炎は
不潔だからでも、
洗いすぎたからでも、
サボったからでもありません。

皮膚の上で起きている反応の結果です。

だからこそ、
【何を塗るか】だけでなく
【なぜその状態になっているのか】を
理解することが、いちばんの近道です。